吉祥草寺・法華経塚・葛城二十八宿

https://kaze88.hatenablog.jp/entry/2020/08/17/070000

山門の案内板には下記の記載があるのだが・・・

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茅原山 吉祥草寺

当、茅原山吉祥草寺は、修験道の開祖「役ノ行者神変大菩薩御誕生(六三四年)の霊地にして、第三十四代舒明天皇の創建、役小角の開基なり。」(続日本紀・大和図会などに詳しい。)

当時、東西四キロ、南北五キロの境内には、本寺末寺四十九院を整え、茅原山金剛寿院吉祥草寺と勅称され、歴代天皇の祈願所として隆盛を極めたが、六七〇年・一三四九年の二度にわたり諸堂を焼失した。

現存の本堂は一三九六年に再建されたものであり、現在講堂に安置される像は、これらの難を免れた佛たちで、本堂には、本尊五大明王・祖師堂には、役行者自作の三十二歳像と行者の母君(白専女)像、観音堂には、母君本地の千手観音が安置される。

吉祥草寺前の案内看板より

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これを信じて東西4K 南北5Kmを囲ってみると(まあ こんな正確な四角ではないだろうけど)七堂伽藍整い本寺末寺四十九院を有した広さだ。しかるべくってとこか

奥田の蓮池まつりは 役行者由来の祭りで、母:トラメの墓?のある地でもある。

南北はそんな違いはないだろうけど 東西は現郡界橋あたりと聞いてる(高市郡と葛󠄀上郡の郡界)がもう少し東西どちらかにずれてるか??

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役行者活躍時の年代は 舒明・皇極・孝徳・斉明・天智の御代
事件的に言えば聖徳太子の死去後 乙巳の変壬申の乱の頃
飛鳥・近江・飛鳥・藤原京と都の流転時www


葛城二十八宿とは

大峰山と並ぶ修験道の聖地・葛城山は、大阪・和歌山県境を東西に連なる和泉山脈から北上して奈良・大阪県境の金剛山脈へと連なる峰々の総称です。この山系には修験道の開祖・役行者法華経八巻二十八品を埋納したとの伝承による経塚があり、「葛城二十八宿経塚」と呼ばれています。

和歌山県加太町の沖に浮かぶ友ヶ島(序品)からスタートして犬鳴山の「七宝滝寺鈴杵ヶ嶽」(第八品)、和泉葛城山の「嶺の竜王」(第九品)、牛滝山の「大威徳寺」(第十品)、「岩湧山」(第十五品)を経て「金剛山」(第二十一品)にいたり、さらに北上して大和葛城山から「二上山」(第二十六品)、そして大和川沿いの「亀の尾宿」(第二十八品)にいたるまで、各所に経塚や行場が連なる聖地です。この聖地が葛城(の)山

No. 法華経二十八品 経塚 所在地 どんなところ?

1 序品 友ヶ島 和歌山県和歌山市 >海岸の岩場を干潮時に歩いて虎島

2 方便品 神福寺跡 和歌山県和歌山市 >里山の中にひっそりと残る小さな祠

3 譬喩品 大福山 和歌山県和歌山市 >小さな公園で、見晴らしがいい

4 信解品 さくら地蔵 大阪府阪南市 >山桜がきれいな場所にある

5 薬草喩品 倉谷山 和歌山県紀の川市 >雑木林なか、石碑と石灯籠が残る

6 授記品 志野峠 和歌山県紀の川市 >峠にありながら里からも近い

7 化城喩品 中津川 和歌山県紀の川市> 野にある経塚

8 五百弟子受記品 七宝滝寺鈴杵ヶ嶽 大阪府泉佐野市 >犬鳴山の山頂にある

9 授学無学人記品 嶺の竜王 和歌山県紀の川市 >和泉葛城山の山頂にある

10 法師品 大威徳寺 大阪府岸和田市 >苔むした自然石の経塚

11 見宝塔品 七越峠経塚山 大阪市和泉市 >巡礼道が交差する峠道にある

12 堤婆達多品 護摩のたわ朴留 和歌山県伊都郡かつらぎ町 >尾根歩きの道標横にある経塚

13 勧持品 向い多和 和歌山県伊都郡かつらぎ町 >「大日如来」と彫った石碑

14 安楽行品 光滝寺 和歌山県橋本市 >南葛城山東の一本杉にある

15 従地涌出品 岩湧山 大阪府河内長野市>小さな尾根の先の崖の上にある

16 如来寿量品 流谷金剛童子 大阪府河内長野市 >小川をわたり畑のあぜ道を登る

17 分別功徳品 天見不動 大阪府河内長野市> 杉林の小広い平地にある経塚

18 随喜功徳品 岩瀬経塚山 大阪府河内長野市 >急斜面を登った岩瀬山山頂にある

19 法師功徳品 神福山 奈良県五條市 >行者杉を目指して登る

20 常不軽菩薩品 石寺跡 奈良県五條市 >古道にふさわしい大岩

21 如来神力品 金剛山 奈良県御所市 >葛城修験の聖地、金剛山の経塚

22 属累品 水越多和 奈良県御所市 >杉の巨木の下に祀られている

23 薬王菩薩本事品 倶尸羅 奈良県御所市> 路地裏にある地蔵寺跡の五輪塔

24 妙音菩薩品 平石峠 大阪府河南町 >風情が残る山里の峠道

25 観世音菩薩普門品 高貴寺香華大阪府河南町 >神さぶる古寺に祀られる

26 陀羅尼品 二上山 奈良県葛城市 >緑あふれる谷道を登る

27 妙荘厳王本事品 逢坂 奈良県香芝市 >大坂山口神社の正面、個人宅の庭に安置

28 普賢菩薩勧発品 亀の尾宿 奈良県王寺町 >大和川の川の中とされ、亀石が目印

法華経二十八品及び経塚の名称、所在地については諸説あります。

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和歌山県観光振興課:わかやま歴史物語のページよりお借りしました。

吉祥草寺予想範囲プラス葛城二十八宿と南花内の法華経塚(地図のカメラアイコンの場所)

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南花内経塚 - Google Photos

こちらで質問させていただいたところ 下記のような返事をいただきました。

金剛を降りてきた行者さんは、吉祥草寺にお参り、その後、新庄を通って、あるいはそこで一泊して岩橋山や平石峠に向かったコースが多いとのことなのだが『「葛城の峰と修験の道」中野榮治 ナカニシヤ出版』から詳細を拾っていただいたのが以下!

1.金剛山から降りてきて、関屋からまっすぐ長柄ー宮戸ー蛇穴ー吉祥草寺に向かう行者道(筋違道、葛上道)があった。(本編p154)
2.界那寺跡ークジラー里道か、界那寺跡ー葛城山ー岩橋山尾根道を通ったかわかりにくい(室町時代・京都千勝院・鎮永・葛城嶺中記)
3.クジラ経塚ー新庄ー大田ー伏越ー平石峠(室町時代・京都千勝院・鎮永・葛城嶺中記)
4・朝原寺ー長柄ー一言主明神ー新庄河内屋治兵衛宅(宿泊)ー當麻寺(江戸前期迎之坊葛城嶺中記)
5.朝原寺ー長柄ー一言主寺(泊)ー茅原吉祥草寺ー新庄ー當麻ー二上山(嘉永三年京都発駕宿継次第)
6.金剛山ー石寺ー船宿寺ー長柄ー一言主寺ー茅原吉祥草寺ー御所ー新庄ー當麻(嘉永二年聖護院宮葛城入峰)
拾い読み結果は以上です。
確かに、新庄を通った(泊まった)事例が載っていました。
この法華経塚は地元の篤志家、信者、講が建立したものと思われます。

 

www.shiga-miidera.or.jp

ちこっと参照的に
この二十八宿あたりで彷徨いたときのコースが下書きに有ったので貼っとく(笑)